wolframsのブログ

金融関係の仕事をしています。読んだ本や雑感などつらつらと書いていこうかと思います。

エルゴトロン LX デスクマウント デュアルモニターアームを買った

デスク周りの整理&デュアルモニター化のためにモニターアームを購入したので、使用感をまとめておこうと思う。

結論から言うと、操作性のよさもさることながら、サポートが充実しておりたいへん満足のいく買い物だった。

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購入理由を明確にするために、自宅の購入前環境について簡単に触れておく。 

購入前環境

  • 会社用も個人用もPCはラップトップ
  • 使用時には、机の上でラップトップと外付けモニター1台(24インチ)でデュアルモニター化
  • キーボードはラップトップのものでなく、以前ブログで書いたlogicool G913を使用
  • もう1台モニター(21インチ)を持っていたが、机の横幅による制限で24インチモニターと併用できず
  • ラップトップ備え付けのキーボードや、モニター台のせいで机の奥行きも圧迫され、PCでの作業をしているとメモ用紙を机上に出すことも困難に

 

こんな感じで横にも縦にも机上のスペースが足りず。

ラップトップをクラムシェル化して奥行きを確保しようとすると、モニター1台にするしかなく、、、

ウルトラワイドモニターを買う選択肢も考えたが、お金もないし、PS4やswitchの出力先としても併用しているため、大きすぎるモニターサイズも微妙かなという感じ。

そこで、デュアルモニター対応のモニターアームを購入して問題解決を図ったという流れ。

 

購入してよかった点

  • 狙い通りのスペース確保に成功した
    購入後は、エルゴトロンにモニター2台を取り付け、21インチは縦置きで使用している。ラップトップは机下でクラムシェル化することに。
    机の上はクランプとしての取り付け部があるだけで、後のスペースは自由に活用できるようになった。
    おかげで、主に奥行き方向が確保され、キーボードを叩きながらちょこちょこメモ用紙を出したり、ipadを操作したりという自由度がでた。

  • 掃除がしやすい環境ができた
    購入前にはモニター台にモニターを載せていたりと、机の上に凹凸があり、まとめて掃除しようと思うとストレスだった。
    しかし、モニターアーム取り付け後には、机を平面的に使えるので全体をさっと拭き掃除することが可能になった。いやー快適快適。

  • 操作性が良かった
    他のモニターアームと比べて価格も高いので、当然これくらいはできてもらわないと困るとも思う。
    だけど、やっぱり上下左右にスムーズに動かせる操作性はさすが大手という感じ。

  • サポートが充実している
    本製品は購入から10年(!?)保証期間がついている。
    一度買ったら、そんなに買い換えるものでもないのでしっかりとした保証がついている、というのも購入に踏み切った理由の一つだった。
    実際のサポートは、日本語ではメールベースでのコミュニケーションになるわけだが、対応は非常に早い。
    実は、私の手元に最初に届いた商品は不良品であり、可動するはずの部分が全く動かなくなっていた。
    (下図の180°の首振りは本来何の調整も必要なく動くはず。私の購入したものはここが全力で体重をかけても曲がらなかった。)
    f:id:wolframs:20210212150957p:plain
    そこで顧客サポート窓口に連絡して事態を伝えると、その日のうちに交換部品の手配をしてもらえ、実際に依頼日から3日後には交換品が手元に届いた。
    もし安いアームを購入して対応にもっと時間がかかっていたら、ストレスで不良でない箇所まで破壊しかねなかったので、この早さは非常に良かった。

 

購入後微妙かなと思った点

  • 支柱の長さが長すぎた
    シングルモニター用のモニターアームと比較すると、当然ではあるが支柱が長い(下図参照)。
    f:id:wolframs:20210212152356p:plain
    それで何が起きるかというと、アーム自体と支柱が干渉してしまうのだ。
    普段使うときは、机の奥行きの最大活用のために、一本のアームを折り畳むようにして使っている。
    が、それを行うと支柱が高すぎて、モニターを一度持ち上げるようにして支柱を避けないと、モニターの高さが目線の遥か上に行ってしまう。
    (上の図だと、下側に取り付けているアームが支柱にもろにぶつかっている、、、)
    もともと場合によってはモニターを縦に並べて使うことも考えていたため、横縦両方に対応している本製品を選んだわけだが、支柱のない横型のみに対応したモデルの購入を検討すれば良かったなと感じてしまった。

  • 日本語サポートがメールのみ
    英語でバリバリコミュニケーション取れるよっていう人なら問題にならないかもしれないが、金額対比日本語で用意されている窓口がメールのみと言う点は気になった。
    エルゴトロンの日本窓口自体は存在しており、サポートとやりとりを繰り返せば一応電話番号はわかってしまうのだが、それでもHP掲載の連絡手段がメールだけだと、早めに連絡を付けたいときにやや不安になってしまう。
    (いい点でも書いたように、メールでの対応も十分早いことはわかっているが)
    英語を話せる人でも、オフィスは米国なので、国際電話になるは、時差はあるはで連絡を取るのは結構めんどくさいと思う。
    HP上にも日本語での電話対応窓口があればいいなあとは感じた。

  • 高い
    実際に他のモニターアームを試していないので、あまり深くは突っ込めない点ではあるが、やはり価格はかなり高いと思う。
    (これだけの金額出せるならウルトラワイドモニター1台買えよ、と言う点には目をつぶった)
    長く使う商品なので、今回は価格がかさんでもストレスなく使うことを優先したが、もっとコスパの良い商品は正直あると思う。

 

以上、買ってみた感想はこんな感じ。

総じて良い商品、でも高い。 

 

Derivatives Analytics with Pythonを読んでみた

前回は同じようなトピックでC++の書籍を読んでPythonで実装してみたので、今回はPythonの本に触れて見ようと思いこの本を購入した。

Kindle版で8,000円超え、、、高い、、、

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読了までにかかった時間:10日弱

想定読者層:初学者レベル

特に、金融工学はほぼ触れたことがなくても大丈夫かなという印象。
Pythonについては基本的な文法を知らないと厳しいが、高度な理解は必要ない。

本の内容

基本的には、Bakshi-Cao-Chen modelをベースにして、計算量のチープな方法でマーケットのオプション価格にキャリブレーション→Monte-Carloを使って複雑なプロダクトのプライシングという流れで進んでいく。

かなり実務家よりの視点で書いてあり、基礎理論の説明よりも、理論を実装に落とし込むために必要な考え方と、その実装内容に重きが置かれている。

以下は取り扱っている主な内容の列挙。

  • market-based valuationとは何か
  • オプションプライシングの基礎理論
  • Fourier変換と特性関数を使ったオプション価格の半解析形
  • Americanオプションに対する最小二乗Monte-Calro
  • Bakshi-Cao-Chen model, Merton model, Heston model, Bates model...
  • キャリブレーション
  • Greeks計算

よかった点

  • Pythonで書いてある。
    Pythonメインで書いている自分の取ってはわかりやすかった。

  • プライシングの思想が明確である。
    理論よりの本だと見落とされがちな、実務家の視点が強く反映されている。market-baseのvaluationで大事なことが繰り返し書かれているので、実務に触れたことのない人でもどこが重要な点なのかわかると思う。

  • Fourier変換をつかったオプションプライシングについて詳しく書いている。
    和書でこの話題を取り扱っているものはみたことがなかった。
    自分の実務経験がほぼ金利系プロダクトのみなのもあって、Heston modelの実装で使われている、くらいの認識しかなく、今までまとまって勉強したことがな買ったのでいい経験になった。(留数計算の再現に一時間ほど戸惑ったのは秘密)
    洋書だとこの話題ってよく取り扱われているんだろうか。

  • キャリブレーションの考え方で抜けがちな点を書いてあった。
    読んでいてはっとさせられるところがいくつかあった感じ。
    「不完全なモデルを使っていると、理論上リスク中立測度は一意に決まらない。キャリブレーションはそれをマーケットの実際のクオートを使って一つに定める作業である。」
    (←追記:この話ってよく読んでいたらShreveにも買いてあった、、、)
    「モデル選択が注目されがちだが、キャリブレーション時に用いる損失関数の選択も統計的性質に影響を与える。」

 

悪かったところ

  • 実装に必要な式しか与えられていない部分が多い。
    ジャンプ過程などは必要最低限の内容しか書かれていないので、理論的な背景が知りたければ他の書籍をあたらないとダメ。

  • Python2ベースで実装されている。
    一部のメソッドがPython3だと動かなかったり、objectクラスの明示的な承継を行うなど文法的に古い点があったりするので、注意が必要だと思う。

  • 実装方針が微妙。
    明らかに実装が冗長で、抽象クラスを使ったりしたほうがいいのになあ、と感じる場面が多かった。載せてあるスクリプトは、とりあえず動かせるもの、くらいに思っておいた方がいいかも。
    そもそもこういう話題でPythonを使う時って、クラスの承継とかあまり使わない方がいいんだろうか、、、
    あと、Gauss積分がある章ではscipyから直接pdfを読み出しているのに、ある章では数値積分として実装されていたりして、章をまたいだ時の一貫性のなさも少し気になった。

  • 誤植はちょこちょこある。
    実装と対応づける時には注意が必要。

logicool G913 TKL タクタイルを買った

在宅勤務が続き、デスク周りの設備を充実させようと思いキーボードを購入。

これまで安物のパンタグラフキーボードしか使っていなかったが、なぜいきなり購入したのがlogicoolの最高級モデルなのかと、その使用感について簡単に書き留めておこうと思う。

タイトルにもあるが、今回購入したのはこちら。

gaming.logicool.co.jp

 

購入理由

最初から高級品を買いたいと思っていたわけでなく、どちらかといえば欲しかった条件で探して行ったら、当てはまるものがこれしかなかっという印象。

購入前に考えていた条件はこんな感じ。

  • カニカル(または静電容量無接点)
    最初にも触れたが、パンタグラフキーボードを使って作業することに飽きてしまっており、カタカタ打てるキーボードが欲しくなっていた。

  • ワイヤレス
    複数の端末を使い分けているため、デスクの上の配線がごちゃごちゃするのは嫌だった。

  • テンキーレス
    あまりデスクの横幅がないため、フルキーボードがスペース的に厳しい。

  • (可能であれば)複数台接続
    同時に使うことがあっても2台位だが、同時接続できると嬉しい。そのため接続方式はワイヤレスの中でもBluetoothがベター。

もうこの辺で当てはまるもの他にあります??

探していてもG913TKLしか出てこなく、「うわ、、、3万円近くする、、、」と思って若干絶望。

その後もキーボード探しの旅を続けるも、他に候補になるものがなく、手元から響くのはパンタグラフのペチペチ音。

だんだん探索を続けること自体がストレスになっていき、これでは本末転倒だと考え思い切って購入を決意する。

 

こうなると、後はG913のなかでクリッキー、リニア、タクタイルのどれを選ぶかということになってくる。

秋葉原まで足を伸ばせればよかったけど行けず、なかなか近場で本物に触れるところないなーと思っていたら、渋谷のビックカメラでそこそこな種類にキーボードが陳列されていることに気づく。ハチ公の方でなく東口のほう。

 

まず、クリッキーはチャキチャキしすぎていてちょっと違うと感じた。

リニアとタクタイルはかなり迷ったけど、自宅使用前提なので、多少音がうるさくてもいいかなと思いタクタイルに決定。

(店舗で触った感じでそこまで打鍵音の大きさの違いは気にならなかったけど)

他にもそれ以外のlogicool製品やら、realforce、 HHKBなんかも置かれていたので渋谷が近い人は見に行ってもいいかもしれない。

G913シリーズは薄型だけど、realforceとか、logicoolのG512シリーズみたいにストロークがもう少し深く取れる方が個人的には打鍵感としては好きだった。けど無線じゃないからなあと諦め。

 

使用してみて

数週間使用してみて、結論としては買って良かったと思った。

  • 薄型であるということが結局はプラスだった。
    デスクが広くない関係上、普通のメカニカル位厚みがあるものを使うと、パームレストを置くことでスペースが圧迫されイライラしていた気がする。
    また、長時間タイプすることを考えると、G512みたいにしっかりした打鍵を求められるものより、G913位の薄型の方が楽だった。というか、今はこの打鍵感がしっくりきすぎていて他のキーボードのことが考えられない。

  • 端末の切り替え速度が早い。
    G913だと、USBレシーバを使った接続とBluetoothを使った接続をボタンひとつで切り替えできるのだが、この切り替え速度がかなりスムーズ。
    前に使っていたパンタグラフ式キーボードはBluetoothで同時に3台接続できて、ボタンで接続先を切り替えられるものだったけど、切り替えるのにワンテンポ間があってイラッときていた。それと比べると、G913では遅くても1秒くらいで切り替わるのでイラッとポイントが確実に減った。

  • 無線での遅延も特になし。
    これは前使っていたキーボードも接続は安定していたので、±0というかんじ。
    社用PC使用時にはキーボード-PC間よりVDIへの接続による遅延の方がドミナントなのでそっちをどうにかしたいんですが、、、
  • GHUBとは、、、?
    キーボードの配色やら配列やらをいじれるソフトウェアなんだが、立ち上がらなくなったり設定がキーボードに反映されなくなったりが頻発して、すぐに使用を諦めてしまった。
    まあ何か特殊な作業をするわけでもゲームするわけでもないので初期設定のままでいいか。

こんな感じで、3万円の価値があるか、と言われるとよくわからないけど、少なくとも前使っていたキーボード(調べたら4000円でした)と比べたら、タイピングしたい意欲が高まったのでいいかという感じ。

(願わくば仕事自体のやる気も増してくれればいいけど、タイピング欲のほとんどはプライベートに向かっている模様。)

 

万人にお勧めできるかと言われるとわからないけど、ガジェット好きでタイピング機会の多い人なら満足感はあるかな。

後は、付属品として仕事に対するやる気がついてきてくれればベストだった。

 

 

 

 

 

 

Numerical Methods in Finance with C++を読んでみた

オプション評価の基本を学ぶべく、タイトルの本を読んでみた。

筆者はC++自体触ったことがないので、本の内容を理解しつつ、実際にはPythonを使ってみて実装したので一部パスしている部分がある点にご留意いただきたい。

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読了までにかかった時間:10日弱

 

  • とにかくオプションプライシングにとって基本的なことが簡潔にまとめられている。
  • トピックとしては、二項モデル、非線形方程式の解法、有限差分法がメイン。
  • クラス化、特に抽象クラスを用いた実装を具体例を使って繰り返し学ぶことができる。
  • オプションに関する簡単な知識さえあれば、プログラミングについての前提知識がほとんどなくてもスラスラ読んでいける。(おそらく私がC++を使っていっても問題なく読了できたと思う。)
  • C++で書いてあるので当然だが)Pythonで書いていると、特に有限差分法のところが遅いので工夫がいる。
  • おそらくこれだけを読んでも数理ファイナンスについての理解は深まらないので、他に一冊数理ファイナンスの基礎に関する書籍を読んでおくべき。例えばShreve。 

次はもう少しPythonの文法によっている本でも読んでみようかな。 

 

日本語で学ぶこと

在宅勤務が長く続き飽きてきたので、気分を帰るためにもキーボードを新調した。

今までずっとパンタグラフ式の安いキーボードを使っていたので、メカニカルキーボードの打鍵感が心地よい。

 

せっかくなので、タイピングを楽しみつつ久しぶりに文章を書いてみようと思った。

 

自分が大学にいたときもそうだったが、大学で英語授業を取り入れる流れは続いている。

決して大学ランキングでの順位をあげるためだけにやっていることではないと思っている。

英語での授業がふえ、カリキュラムが対応できるようになれば、海外から優秀な研究者・学生がやってきてくれる。ランキングなんておまけで、そういう人材を抱えられることが大学の価値だと思う。(一流の研究者が日本の大学教員の安い給料できてくれるかは知らない、、、)

 

ただ、一方で日本の学生が日本語で学ぶ機会がなくなってしまうのは、それはそれで辛いことだと思う。

 

研究の面だけでなく、ビジネスにおいても、日本人であること、というよりも、日本人が英語を使いこなせないことによるディスアドバンテージは非常に大きいように感じる。

実際自分は海外に住んだ経験もあり感じたことだが、日本人以上に英語が苦手な人種が存在することさえ信じられないほど、日本人の英語は下手だと思った。

単に学習量の差なのか、実際に使う回数の少なさなのかはわからない。

 

だからこそ、大学の授業を英語でやって、語学力の向上を試みるのも手なのだろう。(日本人が日本人の話す英語を聞いて英語力が上がるのかどうかは疑問だけど)

でも、日本のいいところは、(学部生レベルの内容であれば)日本語で授業を受け、日本語で書かれた文献で勉強できることだと思う。

 

自分が海外で出会った、英語ネイティブでない人たちの感じ方はわからないが、少なくとも自分は海外に数年住み英語を使っていても、日本語と同じレベルで英語のことを感じることはできなかった。

日本語でなら表現することのできる機微を英語で表現できるようレベルには、この先の人生をかけても到達できないように感じた。

 

最近仕事の関連する内容で、かなり基礎的な文章を英語で読んでいた。

基礎的な内容なので、英語で読んでいても理解できない部分はないのだが、ふと思いついて文章をDeepLで翻訳してみて驚いた。

DeepLの翻訳精度が高いのもあるが、英語で読んだときより、日本語で読んだ時の方がはるかに早く、また容易に内容を理解できた。

読むという一点に関しても、10年以上かけて学んだ英語での理解力は、日本語のそれに全く及んでいなかったのだ。

 

こういうごちゃごちゃした悩みを抱えなくてもいいように、英語ネイティブに生まれたかったという気持ちはかなりある。

一方で、英語ネイティブでないからこそ、二つの言語について少なくとも日常生活レベルの内容は理解できて、その分いろんな文献に触れられるということもわかっている。

 

ただ英語に英語にという方向に行き過ぎず、日本語で学ぶことの価値、そして日本語を正しく理解するということの価値もちゃんと考えて行かないとなと思う。

 

あー、早くもっともっと技術が進歩して、ほんやくコンニャク作ってくれ。

四季報を買った

今期の四季報を買ってみた。

 

どういう株を買うのかは、その人のとる戦略次第だと思う。

自分は個人投資で余剰資産をのんびり回していくだけなので、基本的に株を短期で売っていくことは考えていない。

そうなってくると、投資先に対して考えることはほとんど銀行の与信審査のように、対象企業の信用になってくると思う。

 

一期のPLの派手さやプレスリリースへの反応は、短期売買を考えている人には大切だろう。だけど、長く企業の決算書を読めば読むほど数期のPLに安定性がないことは明らかだろう。

特に、コロナの影響で多くの企業は業績が明らかに悪化している中、PLに頼った投資はあまりうまくいかないように思う。

もちろんBSだけ良くても企業としての将来に価値が見出せなければ株価は上昇しない。だけど、安定感のあるBSと、将来的に上がり目のある企業活動の組み合わせがあるならば、その企業にはベットする価値はあるのかなと考えている。

日本文化私観

坂口安吾著の日本文化私観は、何度も読み返してしまうとても大好きな文章だ。
坂口安吾 日本文化私観


高校から理系を選択してから、興味の中心は数理的なことになってしまったが、小学生の時は国語が好きだった。
もっと言えば、本を読むことが好きだった。

理由は簡単で、本を読むと、自分が漠然と考えているけど言語化できないことが、自分よりもはるかに知識と経験を持った人たちによってはっきりと文章化されていたからだ。
「あー、そうだよね」「そういう風に言いたかったんだ」という感覚かな。

だけど、いつからか読書してもそういう感覚を感じなくなってしまった。
これは年齢を重ねて思考の柔軟性を失くしたからなのか、落ち着いて読書できていないからなのか、はたまた知識と経験が重なって思考の言語化ができるようになったからなのかはわからない。

自分がいつ初めて日本文化私観を読んだかは覚えていない。
この文章は、自分が今まで触れたものの中でも圧倒的で、今読んでも昔読書が好きだった時の感覚を思い出させてくれる。
書かれたのが戦前だというのが信じられないほど、新しくて確固たる信念が感じられる。

こうやって過去に書かれたものに触れられる現代はとても幸せだと思った。
またこういうものに触れるため、読書は続けていかないとな。